連立方程式の行列解
連立方程式を行列を使って解くことを考えましょう。 最初は、未知数が2個の場合
を考えます。以下に、連立方程式を示しました。
上の行列方程式を解いてみます。まず、左から両辺に逆行列をかけます。
ここで、逆行列は以下のように計算されます。
この結果を使って行列方程式を解くと以下のようになります。
2X2行列の逆行列の計算
次に、3X3行列を使って3つの未知数を持つ連立方程式を解きます。
3X3行列の逆行列の計算
この場合も、左から逆行列をかけると、
行列式Aは以下のように計算されます。
したがって、行列方程式は以下のように解けます。
科学計算においては、いろいろな方程式を差分化して解くことになります。 この時
、大きな力を発揮するのが行列による計算法です。
それでは逆行列を使わない方法で連立方程式を解いてみます。 そのやり方は以
下のようになります。まず上で出てきた未知数が3の場合について考えてみます。
1.二番目の式、三番目の式を一番目の式で両辺とも引く
2.三番目の式を二番目の式で両辺とも引く
3.三番目の式からZの値を求める
4.3の結果と二番目の式からYの値を求める
5.3と4の結果と一番目の式からXの値を求める
赤線で囲んだ部分を0にすることがポイントです。 式を引く時に0になるように、未
知数の前の係数をうまく調節してください。 また対角部分が0になる場合は、0で
ないものと式全体を入れ換えてから次の手順に進んでください。
最終的に対角部分に一つ以上の0が消えずに残った場合は、 連立方程式の解
は一組とはなりません。
課題(その1)
次の連立方程式を逆行列を使わずに解いてください。
(1) 5X+2Z=4、X+3Y+Z=1、2X+Y+3Z=0