四色問題
二次元平面にあるいくつの領域を異なる色で色分けすることを考えます。規則は極
めて単純です。 境界線の両側で色が同じになってはいけません。 まずは、 境界点
の状況でどうなるかを考えます。図1は一つの点で三つの領域が接する場合です。
<境界点の状況(その1)>
(図1、Functionviewで作成)
それぞれの領域が互いに接している為、3色が必要になることが判ります。 図2は
一つの点で四つの領域が接する場合です。 一つの領域に接している二つの領域
は互いに接していない為、2色で済むことが判ります。
<境界点の状況(その2)>
(図2、Functionviewで作成)
つまり、一つの点で接する領域の数が奇数なら3色となり、 偶数なら2色となること
に注意してください(図3及び図4参照)。
<境界点の状況(その3)>
(図3、Functionviewで作成)
<境界点の状況(その4)>
(図4、Functionviewで作成)
図3では、図4と違って領域を交互に2色で色分けしていくと、 最後の領域を色分け
できません。以上から、平面上にある領域を色分けする為には、 最低3色が要るこ
とが判ります。
次に、 よりグローバルな図形の配置が色の塗り分けにどう影響するかを検討して
みます。図5は色分けに4色を必要とする一つの例です。
<グローバルな図形と4色分け>
(図5、Functionviewで作成)
点Aから点Fは、図1のような状況です。 点Dと点Fでは、赤と青以外の色が必要に
なります(外側の領域に関して)。また、線分ACと線分BEでは、これらの領域が接
している為、さらにもう1色必要になります。
課題(その1)
色の塗り分けに5色必要な場合があるかどうか議論してください。 もし、 ある場合
は、具体的にそのパターンを作図してください。
図5の赤色の領域を中心に、 各点の関係を位相幾何学的に作図してみます(図6
参照)。 一つの領域の周りに三つの領域があり境界線を通して接している場合、 さ
らに、 周りにある領域が互いに境界線を通して接していると、 色分けに4色要るこ
とが判ります。
<周りに三つの領域がある場合>
(図6、Functionviewで作成)
同様に、周りにある領域が一つの場合と二つの場合を考えてみてください。それぞ
れ、色分けに2色と3色が要ることがすぐに判ります。 図7と図8は周りにある領域
が四つの場合と五つの場合です。
<周りに四つの領域がある場合>
(図7、Functionviewで作成)
<周りに五つの領域がある場合>
(図8、Functionviewで作成)
従って、 周りにある領域の数が奇数なら4色、 偶数なら3色必要であることが結論
付けられます (領域の数が2以上の場合)。 平面上にある領域を色分けする為に
は、1色増えて少なくても4色要ることが判ります。
課題(その2)
空間をいくつかの領域に分けて色分けするとき、最低何色の色が必要ですか。 因
みに、線分を色分けする為には、 少なくても色が2色必要になります。 次元数と色
の数には何か規則性はありますか。
課題(その3)
円周や球面など閉じた空間における議論を行ってください。開いた空間との違いは
何ですか。 また、 四次元空間や五次元空間など高次元空間での色分けの問題は
どうなりますか。